飛鳥・奈良時代
日本でも古代より、赤に対しての強い執着心を持っていたと言われます。
当時、自然界のすべてのものは神によって創造され、また、その神から
作られた草木には霊が宿っていると信じられていました。
それゆえに霊の宿る薬草が病気の悪霊を取り除くと信じられていましたので、
衣類などの染料として使われるものすべてが薬草から選ばれていました。
飛鳥・奈良時代の赤は『紅殻』(酸化鉄を主成分としたもの)が用いられ、
額の中央や唇の両端に一種の飾りとしての役割を果たす化粧をしています。
その延長線上として、指先を赤く染めていたともいわれていますが、
これもアクセサリーとしての感覚に近いのでしょう。
紅は彩りを添えるだけではなく、造型的な角度から用いられるようになったのは
この飛鳥・奈良時代からで化粧史上画期的なことでした。